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森のただ中で


時は枝先を掠める風のごとく、この静寂な森の中でひっそりと流れていた。 Jはもはや、初来訪の折に皆から警戒された「異邦人」ではなかった。

傷を負い、大目(Big Eyes)たちに担がれて谷へと運ばれたあの夜から、彼は薬草や錬金術、そして眠れぬ夜を費やし、一匹また一匹とMo-Mooたちを苦痛から救ってきた。当初の疑念や拒絶は、幾度もの治療と守護の中で、静かに氷解していった。

かつては不気味に見えた金属の器具や薬瓶も、今ではMo-Mooたちが好奇心を持って囲む玩具となった。彼らはJを真似てトングを握り、薬草の書物を慎重にめくり、実験を興奮気味に見守るようになった。

それを見たJは、この好奇心を知識の種へと変えることにした。治療の合間に、簡易な手当てや道具の使い方を教え始めたのだ。「アゴン(A-Gong)」と「パパ・ビッグアイ(Pa-Pa Big Eye)」もそれを楽しみ、最も熱心な小さな助手となった——その大袈裟な身振りと鳴き声で、講義を賑やかなショーへと変えてしまったのだ。

森での日々は次第にリズムを刻み始めた。多くの時間は、風が蔦を揺らすのを眺め、夜に蛍火が明滅するのを静かに見守ることに費やされた。ある日、Jは地脈の心臓の岩壁の前に座り、手記を手に、傍らで居眠りをする大目たちを眺めていた。頭上には緩やかに瞬く青い光の脈絡があり、周囲には熟睡するMo-Mooたちがいる。彼は、見知らぬようでいて懐かしい感情を覚えていた——必要とされ、受け入れられ、この場所に留まることを許されたという、安心感を。

全てがあまりにも穏やかで、壊すのが惜しいほどの静寂だった。 だがJは知っていた。この平穏が永遠には続かないことを。 山林の外では、魔化(まか)の咆哮が真に遠ざかったことなどない。 魂の奥底では、異神(いしん)の精神干渉が絶えたことなどない。 真の嵐は、依然として暗闇の中で、次なる降臨を待ち構えているのだ。

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