〈地脈の誕生〉
- yeitao2021
- 2025年12月11日
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フォグの森の西方、人跡未踏の古き森に、山々のごとく聳え立つ巨木群があった。ある時、空から巨木の種が舞い降り、苔むした土の上に静かに着地した。朝と夜が交替し、時はせせらぎのように流れ、種は芽吹き、天へと伸び、やがて周囲の木々と同じく天空を貫く大樹となった。その樹冠は雲層を支え、盤根錯節(ばんこんさくせつ)たる根は表土を貫き、朽ちた獣の骨や古の岩盤を巻き込みながら、絶えず地心へと伸びていった。
ある日、雲霧が山林一帯を覆い尽くし、巨大な渦となって集束した。渦流は混沌の力に満ち、次第に凝縮されていく。空間は歪み始め、虚空と現世の境界を引き裂く亀裂が生じた。二つの世界を繋ぐ綻びが徐々に開き、裂け目からは虚空の混沌なるエネルギーが絶え間なく噴出した。
突如、虚空から放たれた一筋の雷電が山頂の巨木を直撃した。轟音が谷を震わせ、膨大な虚空のエネルギーが太い幹を伝って流れ落ち、根へと湧き入り、大地全体に注ぎ込まれた。その夜、森と山脈は青白い幽光に包まれた。明け方になり、大地の震動は止み、万物は静寂へと帰した。しかし、地底の最深部で、一筋の微光がひっそりと灯った。岩層の間から、まるで心臓の鼓動のような微かな光が脈打ち始めたのである。

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