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A Brief Encounter at the Border



フォグ守備隊の駐屯地にある検問所の前で、Jは関所を抜けるための列に並んでいた。 その手には黒い革鞄が提げられ、中には彼の相棒「阿宮(アグー)」が入っている。それは錬金術によって精製された、奇妙な錬金生物だ。

鞄の中で相棒がモゾモゾと動き出したため、Jがなだめようとしたその時、列の前方から聞こえる怒声が彼の注意を引いた。 見ると、衛兵が「その荷物の持ち出しは許可できん!」と大声で叱責している。 それに対し、貴族らしき豪華な身なりの男が、衛兵と揉み合いながら「私の荷物を差し押さえる権限などないはずだ!」と言い返していた。

先を急いでいるJは、その騒ぎに苛立ち、仲裁に入ろうと前に出た。 その押し合いの最中、驚いた阿宮が、芳しい香りのする霧を放ってしまった。

それは阿宮の能力だった。Jは知っている。阿宮はパニックになるとガスを放出する習性があるのだ。 霧に包まれた人々の負の感情は、その香りに吸い寄せられるかのように消え失せ、次第に周囲は穏やかさを取り戻していった。 その後、ガスは再び阿宮に吸収され、列は何事もなかったかのようにスムーズに進み始めた。

Jが検問を抜けると、先ほど助けられた男が声をかけてきた。 男は「私の経営する酒場で一杯奢らせてくれ」と誘ったが、先を急ぐJは長話をするつもりはなかった。 男は慌てて金貨の入った袋を差し出したが、Jはただ手を振って拒絶し、そのまま立ち去ってしまった。 男は一人、その場に取り残されるだけだった。

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